加藤エアコンサービス

Q)なぜ室内機質量18kg以上(※)のものは工事を行わないのですか?(ご質問者様)

A)壁が耐えられず落下する危険性が高まるためです。

(※)室内機の梱包重量ではなく製品そのものの質量です。

 当店では室内機質量18kg以上の機種は工事を行っておりません。

 現在発売されている上位機種といわれるエアコンの室内機は高さよりも奥行き(壁からの張り出し)が大きく、しかも質量が従来の2倍程度になっています。

室内機の荷重のかかり方

 図は上に“現在の上位機種に多い、重く奥行きの大きい機種”、下に“従来の標準的な軽い機種”を配置したもので、本来はこのような設置はあり得ませんが比べるために作図したものです。
 (高さと壁からの奥行きの比率はあるメーカーの現存する機種から出しています。)

 上は重心が壁から離れ、しかも重いために設置された壁への引っ張り荷重が大きく、負荷と落下の危険が高まっています。それに対し下の従来からある標準的な機種では本体の薄さゆえに重心は壁に近く、軽いために壁への引っ張り荷重は少なめです。

 では重い機種でも落下しないように固定すればよいのではとなりますが、家庭用ルームエアコンのように壁への設置面積の小さいものではそう単純なことではありません。

 日本の住宅の内壁は耐火性がよく加工性にも優れた石膏ボードが使用されているところがほとんどです。もちろん石膏ボードにはボードアンカーと呼ばれる壁の中で広がって抜けなくなる器具を使用して取り付けますが、この石膏ボード自体に強度が無いのです。壁に画びょうをとめたことがあれば“スポッ”と簡単に入ってしまうことをご存知かと思います。

 石膏ボードは石膏の粉のようなものを固めて紙でサンドしただけのもので、紙をはがすとボロボロと崩れてしまう程度の弱いものです。また大きな荷重がかかり続けると曲がってきます。“石膏ボード工業会”でも石膏ボードだけで器具を持たすような取り付けはやめるように注意されています。

 ネットで検索してエアコンの落下事故を見ていると石膏ボードにボードアンカーを使用して取り付けられたものが多く散見されます。当店の工事で落下事故は1件もありませんが、落下修理依頼は結構あり多くはボードアンカーが抜けて落ちたものや石膏ボード自体が壁から剥がれたものです。

 室内機質量10kgを超えるエアコンはボードアンカーだけで持たすのは危険です。取り付けたときは落ちませんが数か月から数年後に突然落下することがあります。10年、長ければ20年と使用するものですからそれに耐えることが必要です。

 木造の建物では中央を間柱と呼ばれるところへネジが効かせられますが、主に荷重のかかる両サイドは壁内が空洞です。このサイドのボードアンカーが抜けてしまえば薄い鉄板でできた据付板は曲がってしまい落ちる恐れがあります。

 マンションなどで壁内に補強板が入っているからといっても安心はできません。補強板自体が石膏ボードの裏に張り付けてあるだけとか、ネジ数本で固定しているだけという程度のものがほとんどでエアコンを壁のボードから外れないようにできても、壁の板ごと構造から剥がれて室内機が落ちることもあります。

 エアコンは多機能化とエコ性能の追求で壁から異様に飛び出し不格好で、取り付けられる家を選ぶように変化しています。メーカーの設計者は実際に工事に携わったことがないと思いますので日本の建築の造りや現状、そして現場でどういうことが起こっているのかご存知ないのでしょう。

 万一落下すると場合によっては人身事故にもなります。打ちどころが悪ければ大変なことになりかねません。

 建物の構造によって詳細に述べればさらにもっと多くの説明する事項もありますが、非常に長く複雑になりますのでこのあたりで終わりにします。

 当店では現在、室内機質量18kgで線引きをしています。

 また18kg未満でも危険と判断した場合は工事いたしませんので事前に必要であればご相談ください。

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